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8DAYS A WEEK meets MORIHARU 制作レポート公開
Artists in FAS 2016(藤沢市アートスペース主催)にて8hotel賞を受賞した森温さんが手掛けた客室が、いよいよ宿泊予約スタートします。
『8days a week』第三弾目となる今回は、Artists in FAS 2016(藤沢市アートスペース主催)にて8hotel賞を受賞した森温氏が、8hotelに滞在しながら客室をアート。
兵庫県在住でサーファーの彼女が、湘南での滞在中に感じた“日常の中の非日常”をシルクスクリーンで表現しています。
そんな森温さん自身が、制作にあたり8hotelに寄稿して下さったレポートを公開!
このお部屋に表現された、彼女のライフスタイル、湘南の地への想いがふんだんに溢れています。
1週間が8日あったとするならば
私は迷わず海へ行くだろう。
私自身がサーファーであり、海で得るたくさんの感覚を作品に描き起こしてきた。
波に乗る面白さ、どこまでも広がる海と空、時間とともに変化する色合い、残したい環境のこと...
海が教えてくれることは尽きる事が無い。
そして今回の滞在制作の場所は湘南・藤沢にある8HOTEL。
部屋の窓からは日差しを受けた水平線が見える。
「一週間が8日あったとするならば、人はどのようなインスピレーションを、そこで抱くのだろうか」というホテルのコンセプトを受け、私は湘南への旅を始めた。
湘南での小さな旅
制作にあたり、湘南に滞在して見つけた景色や心動かされたことを、旅人の日記のように描き残したいと考えていた。
まずはホテルで自転車をお借りし、海岸線を目指してのんびり走ることに。
時々気になる景色を見つけては、自転車を止めて写真を撮ったり、スケッチしたり・・・
・・・その日の海は台風で大荒れ。
でもそこには、じっと海を見つめる人、サーフィンをする人、のんびり過ごす人、そして晴れ間にくっきりと海に浮かぶ江ノ島があった。
滞在中、楽しみにしていたサーフィンに行く機会に恵まれた。
たった1時間くらいの間だったが、江ノ島のそばで波乗りできるロケーションを珍しがっていたら、友人は「いつも真っ暗になるまでやってるよ、天気が良ければ富士山が見えたのに」と残念がっていた。
またある日は、夕焼けが本当に綺麗だからと、稲村ヶ崎にあるレンタルスタジオ「SIMPLE HOUSE」へお伺いする機会があった。
そこへ行くまでの江ノ電の車窓から見える一面の水平線と、SIMPLE HOUSEから眺めた夕暮れの景色が素晴らしく、ずっとずっと見つめていたいと思った。
この湘南という地域には、この景色が日常であり、そしてまた特別でもあるんだなと感じ、絶対に部屋に描こうと決める。
これらの小さな旅で得たものが、制作と直接繋がることになった。
旅人としての自分は、同じく渡り鳥の姿と重ねた。
勢いよく舞い上がる鳥の姿に私はいつも自由を感じる。
(そういえば、藤沢駅前の大きな木に、鳥たちがたくさん集まっているな・・・と描いてから気づいた)
風に揺れる葉は、ホテルの目の前にある住宅の大きな木からイメージを得て。
部屋で寝転んだ時に、湘南のどこかの公園で穏やかに空を見上げているような、海藻が揺れる海の中から水面を見るような感覚を抱いてもらえればと思う。
浮かぶサーフボードには、友人といったサーフィンの思い出と、メッセージ「I need rest, in case tomorrow is a great day」(僕には休息が必要なんだ。もしかしたら明日が素晴らしい日になるかもしれないから:スヌーピーの言葉)を描いた。
ここで宿泊する方の滞在時間が良いものになるようにと願いを込めた。
森温
【森温】
1982年生まれ。兵庫県三木市在住。
滋賀大学教育学部美術家卒業。
大学卒業後、美術教師を務めながら、独学でイラストやシルクスクリーンでの表現を始める。
趣味のサーフィンを中心に、自然と人との関係をモチーフに制作している。
Artists in FAS 2016(藤沢市アートスペース主催)にて8hotel賞を受賞。
湘南に滞在中に体験した1日を同部屋に表現。
HP https://www.atsukomoritaworks.com
【アートプロジェクト 8 days a weekとは】
画一的な客室ではなく、それぞれに個性のある117の部屋をつくりたい。
そんな思いから、客室のリデザインをスタートさせました。
その第一弾がアート性の高いサーフブランドRVCAとコラボレイトしたアートプロジェクト8 days a week。フランキー・スィーヒや新倉孝夫、マーゴ、吉田憲右といったアーティストたちが、客室にアートワークを施しました。今後は、誰かの部屋に訪れたような気分になれる客室をイメージして、さまざまな取り組みを行っていく予定です。8HOTELは、「予約の際に部屋番号を指定してもらえるようなホテルでありたい」と考えています。
(写真は第一弾のフランキー制作の部屋)
※8hotel.jpより転載
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